ドリフト界隈では国内外で人気のマーク2、チェイサー、クレスタの3兄弟。2.5リッター1JZエンジンの強みと、今の車にはない独特のセダンスタイルが、ドリフトをやる若者から注目を集めている。
そんな中、S14シルビアから、満を持してJZX100クレスタに乗り換えてドリフト仕様に仕上げてきた一台を紹介する。
珍しい青に彩られたクレスタが豪快に駆け抜ける。
オーナーはあらしさん。以前は日産シルビアS14でドリフトをしており、その当時から、仲間達から注目を集めるほどの実力を見せてきた。
実際、編者も長くあらしさんの走りを見てきたが、とにかくイケイケどんどんのノリで攻めた走りを展開してくれた。クラッシュも多かったが、その都度修正して、さらなる攻めを披露してくれた。そうした経験やセッティングのノウハウが、このトヨタ クレスタに随所に生かされている。
元々はJZX系の車両が好きだっただけに、その拘りはボディ各部に見え隠れしている。フロントの張り出し感が勇ましく感じられるスタイルなど、多くのカスタムクレスタを研究している様子が伺えた。
ボディカラーはアペックスブルーパール。これは、ホンダS2000で採用されている純正色でオールペンされている。あらしさんはこのカラーがとてもお気に入りのようで、以前に乗っていた日産シルビアs14も同系色で塗られていた。
エンジンの仕様は、タービンにお馴染みのトラスト TD06-25Gを選択。それにSARDのインジェクター、TOMEIの燃料ポンプを装着し、APEXのパワーFCで制御しているとの事。
タイヤは、フロントはTOYOプロクセスR1Rで235-40/17、リアはKENDAカイザーで235-45/17を選択。本人的には、見た目も含め直前までタイヤ選択に悩んでいたようで、今回はこのセットでバランスさせてきたようだが、今後は変わる可能性がありそうだ。
見た目も大事なドリフトマシンなだけに、ツライチ具合やキャンバー角、車高と、走りをどうバランスさせていくか、今後も楽しみな試行錯誤が続いていきそうだ。
室内では新規導入した油圧サイドブレーキが注目を引く。本人曰く、各段にやりやすくなったそうだ。サイドブレーキの引きやすさや効きの具合も、当日までに細かくセッティングを詰めてきたらしい。
消火器もしっかり設置されてあるあたりも、過去の経験が生かされているようだ。
日産シルビアS14の時に比べ、各段に安定した攻めの走りを見せてくれた あらしさん。毎ラップ、計ったかのように同じように壁際へ綺麗に寄せ、それでいて白煙の量や角度も、セダン系らしく豪快に駆け抜けてくれた。
S14の時のように感じた、フラストレーションとリスキーさが入り混じった走りはほとんどなく、本当に気持ち良さそうに走っているように見えた。見ていてこちらも安心が出来る。
本人は謙遜しているが、大会でも十分に上位を狙えると思う。ぜひとも、どこかの大きい大会へエントリーしてもらいたいところだ。
それまでに、さらなる煮詰めを進めてもらいたい。
【取材 – 文 – 写真】
編者(REVOLT-IS)
【オーナー – 取材協力】
あらし